1. なぜ貧富の差は広がるのか?
AIと自動化で仕事が奪われる現実
「ロボットが人間の仕事を奪う」という話を聞いて、「そんなの遠い未来の話でしょ?」と思っていた方も多いかもしれません。しかし、すでに私たちの身の回りでは、それが現実になりつつあります。
スーパー・コンビニのセルフレジ、ファミレスの配膳ロボット、高速道路のETC。気づけば、かつて人が行っていた仕事がどんどん機械に置き換わっています。
さらに、最近ではAIが人事評価を行う企業も登場しています。「君の査定はBランクです」とAIが冷静に判断する時代になりつつあります。上司にゴマをする時代は、もしかすると終わるのかもしれません。
こうした変化は、ホワイトカラーの仕事にも影響を与えています。最近のAIは、単なる作業の自動化にとどまらず、データ分析、文章作成、さらには法律相談までこなせるようになっています。
仕事が減れば当然、収入格差は広がります。新しい技術に適応できる人はチャンスをつかめますが、適応できない人は取り残されてしまいます。テクノロジーの進化は、便利な世の中を作る一方で、貧富の差を加速させる大きな要因になっているのです。

制度や仕組みの変化で仕事がなくなることもある
AIや機械化だけでなく、「制度や仕組みの変化」 によっても仕事は驚くほどあっさりと消えていきます。法律や業界の流れが変わるだけで、必要とされる職業が一気になくなることもあります。
僕は昔、ガソリンスタンドで給油の仕事をしていたことがあります。でも、今やセルフスタンドが当たり前になり、フルサービスのガソリンスタンドはほとんど見かけなくなりました。これはAIの影響ではなく、制度や仕組みの変化によって仕事が減っていったケースです。
同じように、最近ではスーパーのレジ係もどんどん減っています。セルフレジが普及し、「お客様自身でお会計できますよ」という流れになってきました。以前はレジの前に長い列ができるのが普通でしたが、今では一人の店員が何台ものセルフレジを監視するだけで済むようになっています。
さらに、銀行の窓口業務や高速道路の料金所スタッフ、駅の切符販売員なども減少しています。一生モノの仕事だと思っていたものが、ある日突然なくなることもあるのです。
最近まで「安定した仕事」と言われていたものが、今は「消えてしまった仕事」になっている。そんな時代になっているのかもしれません。

お金の知識と行動の差が格差を生む
もう一つの大きな要因は「お金の知識と行動の差」です。
例えば、100万円を銀行に預けっぱなしにしている人と、その100万円を投資に回した人。10年後、20年後にどれくらいの差がつくか考えたことはありますか?
仮に年利5%で運用すれば、20年後には約2.65倍の265万円になります。一方、銀行に預けたままでは、今の日本の金利ではほぼ増えないどころか、物価上昇で実質的に価値が目減りしてしまいます。
この差は小さいように感じるかもしれませんが、時間が経つほど大きくなります。まさに「投資をする人としない人の格差」が生まれる瞬間です。
「学校ではお金の勉強をしなかった」というのは、よく言われる話です。そのため、多くの人が「投資はギャンブル」「貯金が安全」という思い込みに縛られています。しかし、実際には、何もしないままでは物価上昇に飲み込まれ、貯金の価値はどんどん目減りしていきます。
「お金持ちはますますお金持ちに、貧しい人はますます貧しく」そんな状況を生み出しているのは、資産運用をするかしないかの違いも大きいのです。
ここで大切なのは、「投資をしなければならない」と強制することではなく、「何もしないとどうなるのか?」を考えることです。現代においては「投資をしない=資産を減らしている」のと同じ だと言えるでしょう。




