
以前、「FIREに必要な資産はいくらあれば安心なのか」という記事を書きました。
そのときも、安心は資産額だけでは完成しないと書いた記憶があります。
あれから少し時間が経ちましたが、今でもその考えは大きく変わっていません。
ただ、ひとつだけ付け加えるならFIRE後も不安は普通にあります。
残念ながら、資産が一定額を超えた瞬間に心が無敵モードになるわけではありません。
できれば効果音つきで「レベルが上がった!」となってほしいところですが、現実はそこまで親切設計ではありません。
むしろ、仕事を辞めてからのほうが見えてくる不安もあります。
収入がない不安
資産が減る不安
健康の不安
突然の出費への不安
社会との距離感の不安
そして、たまにやってくる「このままでいいのか?」という、正体のよく分からない不安。
今回の記事では、FIRE後に不安が消えたのか、それとも変わったのか。
今の自分なりに、少し整理してみたいと思います。
- 1.FIREしても不安は普通に残る
- 2.不安の正体が少し見えるようになった
- 3.資産額より大事だったのは生活の軽さ
- 4.怖がり方が変わった
- 5.お金だけでは薄めきれない不安もある
- 6.FIREは不安を消すものではなく、向き合う余白を作るもの
- 7.それでもFIREしてよかったと思う
- まとめ
1.FIREしても不安は普通に残る
FIRE前は、ある程度の資産ができれば不安はかなり減ると思っていました。
これは半分は正しかったと思います。
総資産額が大台に乗ったときはやった!これでゴールだ!とその瞬間は感じました。
毎月の生活費に追われる感覚は、かなり薄くなりました。
明日の仕事のことを考えて、日曜の夜に気分が重くなることもありません。
嫌な人間関係を我慢し続ける必要もない。
そういう意味では、お金が減らしてくれた不安は確かにあります。
ただ、それで全部が消えるわけではありませんでした。
資産が増えても、相場は下がります。
配当があっても、為替は動きます。
生活費が低くても、家電は壊れます。
しかも、だいたいこちらの心の準備ができていないタイミングで壊れます。
そして、人間の体も少しずつ古くなります。
このあたりは、FIRE前にはあまり見えていなかった部分です。
会社を辞めれば、会社の不安は消えます。
上司の機嫌や会議の資料に心を削られることはなくなります。
これは本当にありがたい。
ただ、人生そのものの不安まで消えるわけではない。
当たり前といえば当たり前なのですが、実際にその立場になってみると、意外と地味に効いてきます。
結局、不安の種類が変わるだけで、不安そのものがゼロになるわけではない。
ここは、FIRE前に想像していたよりも現実的でした。
2.不安の正体が少し見えるようになった
ただ、FIRE後に変わったこともあります。
それは、不安の正体を少し落ち着いて見られるようになったことです。
会社員時代は、不安がいくつも重なっていました。
お金の不安
仕事の不安
時間の不安
人間関係の不安
疲れが抜けない不安
それぞれが絡まり合っていて、何が本当にしんどいのか分からない状態だった気がします。
FIRE後は、その絡まりが少しほどけました。
不安が消えたというより、不安を雑にまとめなくなった。
「なんとなく不安」ではなく、何に不安を感じているのかを分けて見るようになった。
これはFIRE後に得た、地味だけど大きな変化だったと思います。

3.資産額より大事だったのは生活の軽さ
資産額はもちろん大事です。ここを軽く見るつもりはありません。
FIREを考えるなら、生活費、投資方針、税金、保険、現金比率など、ある程度は数字で考える必要があります。
ただ、実際にFIRE後の生活をしてみると資産額だけでは説明できない安心があります。
それは、生活が軽いことです。
財布も軽くなる、という意味ではありません。笑
そこはできれば重めでお願いします!パンパンでお願いします!
毎月の固定費が低い。
欲しいものがそれほど多くない。
見栄のために使うお金が少ない。
人と比べる場面が減っている。
これがあると、資産額以上に気持ちが楽になります。
逆に、どれだけ資産があっても、生活が重いと不安は残ると思います。
高い固定費。
見栄の維持費。
人間関係のコスト。
常に新しい刺激を求める消費。
こういうものが多いと、いくらあっても足りない感覚になりやすい。
FIRE後の安心は、資産額だけではなく、生活の軽さとのセットで決まるのかもしれません。
ただ、この生活の軽さにも副作用はあります。
普段の生活費が低いと、大きな買い物の存在感がやたら大きくなるんですよね。
最近、それをかなり分かりやすく実感しました。
洗濯機が突然壊れました!
19年前に買ったドラム式洗濯乾燥機です。
機種は、パナソニックのNA-VR1100。当時も高級機種で奮発した思い出深い洗濯機。
19年も働いてくれた時点でかなりの功労者です。
こんなに長く人生を過ごしたのだからもう家族です。笑
こちらがFIREするよりずっと前から、黙々と洗濯と乾燥を担当してくれていました。
ただ、別れは突然来ます。
少し調子が悪いかなというかわいい前兆ではなく
「急でごめん、そろそろ、お別れの刻だ…」という感じで来ました。
FIRE生活をしていると、毎月の生活費はかなり低めに収まります。
それ自体はありがたいことです。
でも、そこに20万円を超える洗濯機の買い替えが突然飛び込んでくると、なかなかの存在感があります。
FIRE志向の人ならわかると思いますが、こういうものを選ぶときは徹底的に調べます。
S&P500、オルカンは当たり前!少しゴールドもいる?FANG+は?債券は!?
投資信託の銘柄選びくらいしっかり調べます。
メーカー、機種、どの量販店で購入するか、ネットを駆使して調べる、比べる、考える。
「乾燥方式はどうする?」
「今の機種からどれくらい進化しているのか?」
「型落ちで十分か?」
「設置できるサイズなのか?」
「回収費用は?」
「ポイントはどこが得なのか?」
もちろん、20万円以上の出費で生活が崩れるわけではありません。
そこはFIRE前とは違います。それでも、気持ちは普通に揺れます。
人間というのは、なかなか都合よくできています。
生活が軽いことは安心につながります。
でもそのぶん、大きな出費が妙に心を揺らしてくる。
資産額より、家電のほうが心を揺らしてくる日もあります。
こういう小さくない生活イベントに揺れながらも、すぐに生活が崩れるわけではない。
その状態こそ、FIRE後の安心なのかもしれません。
FIRE後の生活は、こういう地味な現実の積み重ねでもあります。

4.怖がり方が変わった
FIRE前の不安は、かなり切迫感がありました。
このまま働き続けるのか。体力はもつのか。
会社に依存したままでいいのか。そんな不安です。
FIRE後の不安は、もう少し静かです。
不安をなくすのではなく、不安が来ても慌てすぎない。
今は、すぐに動かなくてもいい不安もあると分かってきました。
しばらく様子を見る
そのくらいの距離感で扱える不安もあります。
不安をゼロにするより、取り扱い方を覚えるほうが現実的なのかもしれません。
5.お金だけでは薄めきれない不安もある
FIRE後に感じる不安の中には、お金だけでは解決しきれないものもあります。
たとえば健康の不安です。
お金があれば、病院に行くことはできます。
検査を受けることもできます。
薬を買うこともできます。
でも、それで気持ちまで完全に落ち着くとは限りません。
体に違和感があると、それだけで気分は持っていかれます。
これは資産額とは少し別の話です。
実際病院に行く機会が増えました。また今度書こうと思います。
だから最近は、FIRE生活は資産管理だけではなく、体調や生活リズムも含めて整えていくものなのだと感じています。
お金で解決できる不安もある。
でも、お金では薄めることしかできない不安もある。
この違いを分けて考えることも、FIRE後には大事なのかもしれません。
6.FIREは不安を消すものではなく、向き合う余白を作るもの
FIREをすると、すべてが自由になる。
そんなイメージを持っていた時期もありました。
でも実際には、FIREは不安を消してくれる魔法ではありませんでした。
ただ、不安と向き合うための余白は増えました。
以前なら、焦って答えを出そうとしていたことも、今は少し置いておける。
すぐに解決できないことを、すぐに解決しようとしなくなった。
これはかなり大きいです。
安心とは、不安がゼロになることではなく、不安があっても生活が壊れない状態なのかもしれません。
そして、その状態を作るために必要なのは、資産額だけではありません。
生活費の低さ
人間関係の軽さ
予定の少なさ
休める時間
自分で選べる余地
こういうものが、じわじわ効いてきます。
派手さはありません。
SNS映えもしません。
「今日は予定を入れずに休みました」と投稿しても、たぶんバズりません。
でも、FIRE後の安心を支えているのは、むしろこういう地味な要素だと思います。

7.それでもFIREしてよかったと思う
不安が残るなら、FIREしても意味がないのか。
もちろん、そんなことはありません。
不安はあります。でも、種類は変わりました。
そして、向き合い方も変わりました。
少なくとも、毎朝決まった時間に起きて、決まった場所へ向かい、決まった役割を演じ続ける不安からは離れることができました。
これは自分にとって、かなり大きなことです。
FIRE後の生活は、キラキラした自由というより、地味な調整の連続です。
南国のビーチでノートパソコンを開く日ばかりではありません。
むしろ洗濯機の寸法を測っている日のほうが、ずっと生活感があります。
19年使った洗濯機ひとつ買い替えるだけで、人生の重大イベントみたいになります。
不安がない生活ではなく、不安があっても自分のペースで整えていける生活。
今は、そのくらいの表現がいちばんしっくりきています。
まとめ
資産が増えても、相場は動きます。
生活費が低くても、出費はあります。
洗濯機は突然壊れます。
自由な時間が増えても、健康や孤独や将来への不安は残ります。
ただ、FIREによって変わるものもあります。
怖がらなくなるのではなく、怖がり方が変わる。
今の自分にとって、FIRE後の安心とは、たぶんそのくらいのものなのだと思います。
もし今「いくらあれば安心できるんだろう」と考えている人がいるなら、その気持ちはかなり自然なものだと思います。
数字を考えることは大事です。
生活費を計算することも、資産を積み上げることも、もちろん大事です。
ただ、その先にある安心は、ひとつの金額でピタッと決まるものではないのかもしれません。
不安があるままでも、少しずつ身軽にしていく。
怖がりながらでも、自分で選べる余地を増やしていく。
それくらいの進み方でも、十分に前に進んでいると思います。
安心への道は、どうやら思ったより生活感たっぷりです。
でも、そんな生活を自分のペースで整えていけるなら、それはそれで悪くないのかもしれません。
Enjoy FIRE!
次回の投稿もお楽しみに!
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